自作NASへの道 part3 「ハードウェア構築&OSインストール」

ハードウェア設計

とんでもなく間が開いてしまったが、VMware上に作成した検証環境で、いろいろと試すことができたので実際にNASの作成に入って行きたいと思う。

ハードウェアスペック

マザーボード / P8H67-M EVO
CPU / Core i5 2500K
Memory / W3U133Q-4G x2個
SSD / RealSSD C300 CTFDDAC064MAG-1G1
HDD / HGST Deskstar 5K 2TB(0S03224) x4個
PCケース / ANTEC P183 V3


Sandy Bridgeの値段が落ちてきたので、Sandy Bridgeで組むことにした。
チップセットはH67を選択した。
これは、映像データをスマートフォンなどで気軽に持ち出す為に、Sandy Bridgeエンコード機能を使いたいといったところ。
チップセット H67は、倍率クロックアップには対応していないが、倍率フリー版のCPU 2500Kを選んだ理由は、2500Kの方がGPU機能が高いため。(値段も500円程度しか違いがなかったしね。)

SSDはOS領域用、HDDはデータ領域用。
OS領域は頻繁にアクセスがあり、データアクセスへのパフォーマンス低下の可能性を懸念したため。
逆に、データアクセスによりOS(サーバー機能)の遅延の懸念もある為。

OSについて

VMware ESXiの無償化により、NAS自体も仮想化してしまおうかとも考えたが、PCIパススルーの挙動がいまいち安定しないようなので今回は見送った。
ということで、OSは検証環境でも散々使用したCentOSをそのまま使いたいと思う。
ちなみに、ちょうどCentOS 5.6が出たのでこちらを使用した。

CentOSのインストール

さて、上記ハードウェアスペックを見るとお分かりになるかと思うが、DVDドライブはケチってつけていない。
したがって、DVDからのインストールはできない。


選択肢
PXEインストール
・ネットワークインストール(USBブート)
・USBインストール


PXEインストールは、外部にPXEサーバ(DHCPとTFTP)を立ち上げて、インストールしたいPCをPXEboot(BIOSが対応している必要あり)する必要がある。
追加で何も必要としないため、一番コストを下げることができるが、サーバーの立ち上げが必要となるため若干手間がかかる。
我が家では、ルータがDHCPに役割を担っており、これをDisableにする必要があったため、見送り
参考


ネットワークインストールは、CentOSのネットワークインストーラーをUSBメモリーからBootし、実際のインストールファイルはネットワーク(インターネット or ローカルネットワーク)からダウンロードする。
ネットワークインストーラーは、通常のインストーラーのISOファイルが置いてあるディレクトリと同じ場所に「CentOS-5.*-*******-netinstall.iso」というような名前で置いてある。
インストールは、USBからBootした後ftpなりhttpなりで、インストーラーがある場所を指定する。
※ USB Bootについては、こちらを参照
※ ここで指定するのは、
http://*************/pub/linux/centos/5.*/isos/**** ではなく
http://*************/pub/linux/centos/5.*/os/**** となる。


また、ローカルネットワークにあるISOからネットワークインストールをする場合は、ISOをきちんと展開してftpなりhttpなりで共有すること
※ 後からいくらでも機能の追加はできるのでインストールは最小限に抑えること(最小限のインストールであれば、ISOの2つ目はなくても問題ない)


USBインストールは、上記のネットワークインストールでネットワーク越しにアクセスしたISOをUSBメモリー内に置いて、そこからインストールする。
USBはハードディスクとして認識されているので、ハードディスクからインストールを選択すればOK
多くのサイトでも注意書きされているが、Bootローダーのインストールが曲者である。


インストール中、OSをインストールするハードディスクの選択画面が出てくるがここで目的のハードディスクを選択しただけでは、Bootローダーはそのハードディスクに入らない。
私も同じミスをしたのだが、OSはハードディスク、BootローダーはUSBという状況になってしまった。
注意すべきは、インストール先のハードディスクを選択後、GRUBのインストール画面でもう一度ハードディスクを選択する必要があるということ。
デフォルトでは、USBが選択されているので。

GUIインストーラ / Textインストーラ

今回少しハマってしまったのが、GUIインストーラなのだが、私が組んだこの環境では、CentOSインストーラにビデオボードのドライバがないらしく、GUIインストールを選択した瞬間、画面が真っ暗になりインストールが停止したように見えてしまう。
原因がわからず何度も方法を変え、インストールを試みたが解決はTextインストーラーの選択でできた。

また、Textインストーラを選択後、VNCインストールを選ぶと自動でVNCサーバが立ち上がり、別の端末からGUIインストールすることが可能だ。
これは、PCが直接描写しているわけではないので、ビデオカードのドライバがなくとも問題なくインストール可能だった。

インストールがうまくいかないときは、より低級な方法でトライするというのは、切り分けの選択肢のひとつだと思う。