自作NASへの道 part4 「再考」

ハードウェア設計

またまた、とんでもなく間が開いてしまったが、Sandy Bridgeの性能はとてもよく、NASにしておくにはもったいない!
ということで、ハードウェアを組みなおし。
家にあまっているパーツを流用して、再度NAS構築を行うこととする。

ハードウェアスペック

マザーボード / GA-MA69GM-S2H
CPU / AMD Athlon 64 X2 5000+
Memory / CFD製 DDR2 DIMM 1GB x2個
HDD / HGST Deskstar 5K 2TB(0S03224) x4個


4年ほど前に購入した部品たちばかりだが、Core i5 2500Kよりも消費電力が低く、常時起動しているNASにとっては向いている。
基本、CLIで操作するLinuxであれば処理能力は十分だろう。

OSについて

前回から半年以上経過したわけだが、CentOS 6.2がリリースされている。
ただし、CentOSは6.1リリースの際にちょっとした揉め事があり、一部ユーザーからは不安の声が上がっている。
そのときに、代替ディストリビューションとして注目されたのが、Scientific Linuxだ。
特にどちらの出来が良いということはなく、事実CentOS 6.2はリリースされているため、はっきり言ってどちらでも良いと思う。
CentOSの情報がほぼScientific Linuxにも流用可能なためである。


私は、開発陣の基盤の大きさから、ここではScientific Linuxで構築を進めたいと思う。
尚、6.2はリリースされたばかりで、稼動実績情報などが多くないため、6.1をインストールする。
6.1から6.2へのインストールはさほど手間もかからない。

Scientific Linuxのインストール

CentOSのときと同様、USBからのインストールである。
私はいつも、理研のftpを使わせてもらっている。
ここから、サブディレクトリ 6.1 > x86_64 > iso と進み、SL-6.1-x86_64-xxxx-xx-xx-boot.isoをダウンロードしてくる。
このisoは、インストーラのみで、Linux自体は入ってないため、とても軽い。


これをUSBにコピーし、USB Bootしてインストーラを起動し、ネットワークインストールを実施する。(DVD-ROMをケチってるから(笑)
手順については、自作NASへの道 part3 にて軽く触れているので参照。


以下、インストールイメージは、VMware Playerを使用(したがってディスクサイズなどは実機と差異がある。)

USBブートが成功するこんな感じの画面が出てくる。Installを選択するとインストーラーが起動。



インストールが開始する。



さて、今回はネットワークインストールなので、"URL"を選択



理研Scientific Linuxのページを指定。



ロードが成功すると、GUIのインストール画面が表示される。



ウィザードに従って、以下の設定を行う。
言語、キーボード、ディスクの選択(内蔵ディスクを使用するので一般的なストレージを選択)
ホストネーム、ネットワークの設定、Time Zone、rootパスワード


これらの設定が完了すると、以下パーティションの設定が始まる。
パーティションを自分で設定するため、"カスタムレイアウト"を選択する。



OSのインストールに使用するディスクをすべて選択し、右側の"インストール先のデバイス"へ移動
USBも選択されるが、これはあくまでInstall DVDの代わりなので、OSのインストールには使用しない。
(下記例は、VMでのインストールイメージのため、USBデバイスは表示されていない。)



この真っさらな、パーティションテーブルに今からパーティションを切っていく。



作成ボタンを押して、RAIDパーティションを選択。



sdaを選択し、200MBのRAIDパーティションを作成。



同様に、sdb〜sddにも200MBのRAIDパーティションを作成。(100MBでもいいけど、ケチるところではないので・・。)



次に、RAIDバイスを選択。



今作成した、各ディスク(sda1〜sdd1)の200MBパーティションを選択し、RAIDバイス md0 として/bootにマウント。
boot時には、まだSoftware RAIDのサービスが稼動していないため、/bootにはRAID1しか使用できないので、RAIDレベルはRAID1を選択。



同様に、sda〜sddに、4000MBのパーティションを作成。(OS領域に割り当てたいサイズで作成すれば良い。)
それぞれ、sda2〜sdd2でRAID5のRAIDバイス md1としLVMを作成。(別にLVMでなくても良いが、しない理由もないので・・。)



md1がLVMとして作成されていることを確認し、Volume Groupを作成する。



VG名をOSとし、論理ボリュームをSWAP領域として、2GB作成する。



次に、残りの約10GBでroot領域の論理ボリュームを作成する。



完成!
sda1、sdb1、sdc1、sdd1 から md0 を作成し /boot にマウント
sda2、sdb2、sdc2、sdd2 から md1 を作成し LVMとし、そこから 2GBのSwap領域と10GBのRoot領域を作成。



後は、ブートローダーのインストール先の設定。
USBからBootしているので、初期設定のインストール先がUSBになっていることに注意。
次回以降のbootは、ハードディスクから実施するため、きちんとハードディスクを指定してあげること。


後は、インストールするサービスの選択だが、いざという時にGUIが使えた方が便利なので(メインPCが故障したときにブラウザで調べることができたりすると便利)
デスクトップでインストールし、後で起動時のランレベルを3に設定し直すというが、私のお勧め。
サーバーサービスは後から必要なものを入れればOK。